出玉をカットしているジェットカウンター?思ったより計数が少ない!

大当たりした玉をジェットカウンター(計数機)に流したら、思ったより出玉が少なかった経験はありませんか?
そんな場面に出くわしたとき、「出玉をカットされた」「ジェットカウンターの不正だ」と思ってしまうのは無理もありません。
このページでは、
「パチンコ店は意図してジェットカウンターで出玉カットしているのか」
「ジェットカウンターの仕組み」
「ジェットカウンターでの店員の不審な動き・流し方」
「本来のジェットカウンターの不正」の4つを分かりやすく説明しています。
パチンコ店は意図してジェットカウンターで出玉カットしているのか?
実際、わりと有名なパチンコ店で「出玉を流してみたら思ったより少なかったから、現金投入で貸出された〇円分の玉をそのままジェットカウンターで流してみたらやっぱりピンハネされていた」という事実があったとか。
この件が事実だった場合、確定しているのは「実際の玉数より少なく計数されていた事実」だけであり、ホールが意図して出玉カットしていたかどうかは定かではありません。
そして、僕は元店員だけにパチンコ店を擁護してしまう形になりますが(擁護したくないけど)、出玉カットのクレームを受けるパチンコ店の多くは「意図せず出玉カットをしている」と考えられます。
というのも、「貸出された玉をそのままジェットカウンターに流せば不正が発覚してしまう」程度の、あまりに判別が容易な不正を意図して行う必要性を感じません。
少ない玉数・メダル数なら実数を計数するけど多い玉数・メダル数のときのみ計数をカットするのではないか?という声が聞こえてきそうですが、ホールが「玉数が多い客からだけ搾取してやろう」という思考に至る経緯が疑問ですし、結局「貸出された玉をそのままジェットカウンターに流せば不正が発覚してしまう」訳ですので、意図して出玉カットするには理屈が通らないんです。
もちろん、それでも意図してジェットカウンター不正を行っているホールもあるかもしれませんが。
では次に、意図せず出玉カットしてしまうジェットカウンターの仕組みについて説明します。
ジェットカウンターの仕組み
まず、ジェットカウンターが「意図せず出玉カットしてしまう」理由を知るためには、ジェットカウンターの内部を知る必要があります。
まず下の画像がパチンコのジェットカウンターです。

そしてジェットカウンターの表面を解体すると、下の図のように、いくつものレーンが存在します。
ボーリング場をイメージしてもらうと良いです。

このようなレーンを流された玉は通っていき、ひとつのジェットカウンターにはレーンが沢山あるから高速で計数されるのです。
各レーンには当然センサーがあり、どのレーンを玉が通ってもカウントを見逃すことは基本的にはありません。
ジェットカウンターに流された玉は、島の中へ戻っていきます。
では、完璧な構造のジェットカウンターで起こる「意図しない不正」の原因を見ていきましょう!
ジェットカウンターの出玉カット:その1
まず考えられる原因が、ゴミなどの異物が内部に混入して1つ・あるいは複数のレーンが機能しなくなるパターンです。

このように、部分的にレーンでの詰まりが発生した瞬間、そのお客さんに関しては間違いなく出玉カットが行われます。
レーンが詰まるとエラーを報知するジェットカウンターもありますが、レーン内での詰まる位置が少しズレるだけでエラーを報知しないジェットカウンターも存在します。
図では3玉の詰まりですが、実際では1レーンあたり最大20玉程度の詰まりが考えられます。
こうした損をしないためにも、ドル箱の中にゴミなどを入れた状態で玉を盛っていくのは危険ということが分かります。
ジェットカウンターの出玉カット:その2
もう一つ考えられる、ジェットカウンターで起こる「意図しない不正」の原因は、1つ・あるいは複数のレーンのセンサーが機能せず、玉が素通りになってしまう状態です。

1つでも機能していないレーンがあるだけで、そのジェットカウンターでは玉を流すたびに出玉をカットしてしまいます。
センサーが正常に働いていないのだから、そのレーンを通った玉が正確にカウントされるはずがないのです。
センサーがまともに機能しなくなる原因は、汚れ・配線のゆるみなどが最たるものです。
しかしこのセンサー不良に関しては、逆に「玉を過剰に計数する」可能性もあります。
ジェットカウンターが意図せず出玉をカットする原因を2つ挙げましたが、いずれにしてもホールはクレームを避けるためにも定期的にジェットカウンター内部のメンテナンスをすることでこれらの発生を抑止しようとしています。
少し専門的な用語を用いると、存在すると厄介な「誤差玉」という結果をホールは避けようとしています。
ここでは、「計数されるはずの玉数と計数された玉数の差」という理解でOKです。
少なからず毎日「誤差玉」は存在するのですが、ホールの把握を超えた範囲の「誤差玉」を防ぐためにも、ホールは定期的にジェットカウンター内部のメンテナンスをしているのです。
ジェットカウンターでの店員の不審な動き・流し方
ところで店員がジェットカウンターを使うとき、少し変な動きをすることがあります。
具体的には、
1.わざわざ遠くのジェットカウンターを使う
2・メダルを隠すように流す
3・インカムを使って何か話している
以上の3点でしょうか。
これらの行動の理由をサクっと説明しますね。
わざわざ遠くのジェットカウンターを使う理由
簡単な話、「ホールの勝手な都合」です。
スタッフ全員が玉を流すと呼ばれたお客さんへの対応をするスタッフがいなくなるため、他のスタッフが流している遠くのジェットカウンターまで運び、玉流し専門要員になってもらい、忙しいタイミングをやり過ごすためです。
そしてパチンコ店の設備によっては、例えばホールを北側と南側に2分割したときに、それぞれの「側」だけで玉の循環をしている場合があります。

その設備の中で、先ほど挙げたような「一箇所のジェットカウンターで集中的に流す」事態が発生する場合があります。
例えば南側の玉を北側のジェットカウンターで流すことが多ければ、いずれ北側と南側とで設備内の玉の量のバランスが大きく崩れてしまいます。

そんな崩れたバランスを元通りにするときにも、わざわざ遠くのジェットカウンターを使って玉の量を調整している場合があるのです。
上の図でいえば、北側と南側の玉の量を50%:50%(1:1)にするために、今度は南側のジェットカウンターを多く利用することがあるわけです。
いちいち遠くのジェットカウンターに玉を運ぶ理由は、こんな感じの「ホールの都合」なんです。
あとは…近くのジェットカウンターの調子が悪い、なども普通にありえる話です。
メダルを隠すように流す
これ、メダルをドバっと流すとメダル計数機が簡単に詰まってしまうからなんです。
特に、ガッチガチにカチ盛りされたメダルを一気に計数機に投入すれば、すぐに詰まらすことができます。
だから、ドル箱から一気にメダルが落ちないよう、ゆっくり投入するために手を添えているだけです。
疑心暗鬼な思考のお客さんからすれば「メダルを隠す」ように見えますが、実際は「手を添えている」だけです。
少し考えれば分かりますが、そのメダルを出したお客さんが目の前にいる距離感で、何か店員が不正を働くわけがありません。
あとは…ゆっくりメダルを流すことで、混入した他店のメダルを発見しやすくもなりますよね。
インカムを使って何か話している
主に、「計数した玉数とホールが把握している玉数に違いがないか」を確認していたり、「このお客様のメダルから他店メダルが大量に見つかったけどレシートを発券して良いですか?」と確認していたり、あとは…単にふざけ合ってコミュニケーションをとっているだけです。
少し疑われている可能性もある、と思えば良いでしょう。
他店メダルを持ち込んだり、なにか悪さをしていないのであれば、疑いが晴れるのを数十秒~数分待つだけです。
本来のジェットカウンターの不正
ここまで説明したように、ホールにて出玉をカットされるにしても、わざとではない場合がほとんどである、と思って良いと思います。
もちろん、わざと出玉カットするパチンコ屋もあるのかもしれませんが、そんなことせずとも、ひどい釘調整や低設定で出玉はカットされているので安心してくださいwww
最後に、「ジェットカウンターでの不正」というのはもともと、ゴト師と呼ばれる不正な客のひとつの手段のことでした。
ジェットカウンター内部のセンサーを誤反応させるなどして、玉を流してもいないのに流したかのように誤カウントさせたり、実際の玉数よりも多くカウントさせる手段、という理解でOKです。
そんな不正を防ぐために、最近のパチンコジェットカウンターにはカギ付きのカバーが付けられたりしているのです。
「玉を計数する際は従業員をお呼び下さい」というルールは、不正防止のために存在します。
パチンコ屋は怪しい印象が強いですが、ホールによる意図した出玉カットはあるにしても「ごくわずかのホール」という認識で良いと思います。
だって簡単に客にバレるじゃん、というのが理由です。
あと、思ったより出玉が少ない理由として、例えば「アタッカー賞球15玉・15ラウンド・10カウント」は確かに計算すると2250個だし液晶にも表示されたりするんだけど、少なくともラウンド消化した150玉は存在しているので実際は2100個以下なんだよ、ってことを分かっていない人も多いかなぁ。